【正論】新渡戸文化学園短期大学学長・中原英臣 「1000円たばこ」は1石6鳥 - MSN産経ニュース
うーん、これはあまりにもひどい。
全部が全部、根拠やデータに乏しい、ひどい【暴論】なんだけど、ちょっとだけ、ツッコミ入れてもいいかしら?
> たばこを1箱1000円にすることは、国民にとっても国家にとってもいい
> ことずくめで一石六鳥になる。笹川氏は1000円のうち90%を税金にする
> ことを考えているようだが、ここでは現在の63%という税率として話を進め
> てみたい。
ちょっと待って、なんで 90% を 63% に入れ替えて話を進めるの?
> まずたばこの栽培農家とJT(日本たばこ産業)の利益が増える。たばこの
> 税率は63%だから、1箱300円では110円しか利益がないが、1箱10
> 00円なら370円の利益になるから、喫煙者が現在の3分の1以下に減らな
> いかぎり利益は増える。
あ、そういうことね。1000円の 90% が税金になるのなら、栽培農家の利益は一箱100円で今よりも10円下がると、さらに喫煙者も大幅に減るんでしょ?
> 二つ目は青少年の喫煙率が減少するという効果が期待される。たばこが1箱
> 1000円なら、はじめから吸わない若者が増えることは間違いない。
っていうか、青少年の喫煙率のデータを加えてない試算だったら、結局栽培農家の利益はさらに減るんじゃないか?
> 三つ目は税収が増えることである。笹川氏は9兆5000億円の増収になる
> と試算しているが、ここでは税率を63%とした厚労省の試算によると、喫煙
> 者の6割余が禁煙したとしても、税収は1兆円も増えることになる。
で。結局厚労省は、1000円にしても 63% にすると言っているの?
9.5 倍のひらきがあるデータを並べられても説得力に欠けるんだけど…。
> 四つ目は喫煙率が下がれば下がるほど、がんや心筋梗塞といった生活習慣病
> が減ることになり、その結果、医療費を削減することができる。
喫煙率が下がれば下がるほど健康になるのなら、高齢者が激増するという試算もあるけれど、そうしたら高齢者の医療制度は破綻するんじゃないかしら? この辺の試算はしてないの?
> 五つ目は火事が減ることである。笹川氏は、全火災のうちたばこが原因で起
> きている火災が10・5%もあるので、禁煙は確実に火災予防に対する効果が
> あるのは間違いないと書いている。
うーん、そりゃあ火事は減るでしょうよ。
だったら、道路交通事故による死者:7,358人、火災による死者:1,088人(たばこによる火災が 10.5% とすると、114人くらい?)というデータ(平成16年)があるようなので、そっちの対策を優先すべきでは?
> 最後は、何よりも多くの国民が健康になることである。
国民は自ら喫煙・禁煙を選択しているわけで、これを国が決めるのは大きなお世話。
> 喫煙者の方はたばこが1箱1000円になることには反対と思われる。しか
> し、公的医療保険や民間の生命保険の負担は、心筋梗塞やがんになるリスクが
> 高い喫煙者と、そうでない非喫煙者の間に差がない。このことは喫煙者のリス
> クを非喫煙者が負担していることを意味する。
そもそも、税金や保険は「お互い様」の論理にのっとる部分が多いんじゃないの?
違うのなら、煙草の増税による税収は、全て喫煙者の医療費に使って下さい。
そうしないと、非喫煙者のために、喫煙者がリスクを負担することになるよ!
> こうしたことを考えるなら、喫煙者もたばこを1000円にすることくらい
> は受け入れるべきではないだろうか。フィンランドやイギリスではたばこは1
> 箱1000円以上しているし、アメリカでも7~8ドル(735~840円)
> である。このように先進国でたばこが1箱300円などという国はないのが現
> 実である。
700円を「くらい」と簡単に言うのは一般的な感覚ではないよ。
ちなみに、イギリスでは、煙草は1000円以上でも、地下鉄の初乗りも、800〜1000円くらいするんでしょ? じゃあ、日本の煙草は200〜250円くらいが妥当。国による物価の違いを都合のいい時にだけ持ち込まないように。
これが【正論】だとはまったくもって納得出来ない。
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