昨日の続きの、
Life is beautiful: テレビの低俗化に関する一考察、補足1
について。
「視聴率稼ぎのための低俗化」は決して最近始まったものではなく、広告収入のビジネスモデルの上に成り立ったテレビ放送が始まって以来のことである。唯一の違いと言えば、昔の低俗番組は「番組そのものの面白さ」のみで視聴率を上げるしかなかったのに、最近は「笑いのツボを字幕で表示する」だとか「コマーシャルの寸前まで種明かしを引っ張ったあげく、種明かしはコマーシャルの後にする」などの(番組そのものの面白さとは関係のない)視聴率を上げるだけのための編集テクニックが多用されるようになった点だろう。(中略)
理解すべきなのは、この状況は決してテレビ局のプロデューサーたちが低俗だったり怠け者だったりするからなっているわけではなく、彼らなりに今の放送免許制度+ビジネスモデルの上で「視聴率を上げて広告収入を最大化するにはどうしたら良いか」と工夫を重ねた上でこうなっている点である。
うーん、どうなんだろう? 確かに「視聴率を上げて広告収入を最大化するにはどうしたら良いか」という発想から導かれているものには間違いないんだけれど、
【笑いのツボを字幕で表示する】
【コマーシャルの寸前まで種明かしを引っ張ったあげく、種明かしはコマーシャルの後にする】
という手法については、これらの手法が本当に視聴率を上げ、それをキープし続けているかどうかの健生はなされていないのではないだろうか?
とりあえず、「これをやっとけば安心」というスタンスになっているような気がしてならないのだ。
最初にこの手法を考えついた人は天才だと思う。工夫に工夫を重ねた結果だろうし、その成果もあったかもしれない。だが、多くのテレビクリエイターはこの手法を「視聴率が取れそうなパターン」として多用しているだけで、そこにはすでに「工夫」は存在していないのだ。
「低俗なネタ」を継続するためには、それなりの工夫が必要とされていたわけだが、「低俗な手法」は、一度覚えてしまったら最後、いつまでも同じ手法を使っているだけで、そこに工夫が存在していないのだ。この違いは、小さいようでけっこう大きいと思うんだけどね。
っていうか、そもそもこの手法が視聴率を上げているかどうかって、誰か検証したの?(そんなデータがあったら教えて欲しい。)
こうなると歓迎すべきなのは、実はこんな状況を放置したまま莫大な税金を投入して地デジへのシフトを強制した政府である、と言えると思う。ユーザーがリセットされて初めて、業界はその過ちに気付くことになるわけだから。
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